正義の味方

1985年に有機農業を始めました。動機は経済的に豊かになるためでした。「人の行く 裏に道あり 花の道」有機農業にかけてみたのです。

当時は偽の無農薬野菜がかなりあり、本物は私しか出来ないだろうと思っていました。若い時は自分が一番だと思い上がっていたのです。 それから5年後、何とか野菜が作れるようになり、お客様の紹介で有機農業の仲間が集まる会に入りました。そこにはいわゆる自給自足を目指した人が結構いて、私もお金儲けがよくない事だと思い、経済社会から抜け出して生きている人に憧れを持ちました。「貧困」 体験してみると実に大変な世界でした。自分は無農薬の野菜を作っているので、世の中のためになっているという思いだけが頼りでした。

お金の必要性を肌で感じ、つくづくお金は必要だと思い、再び経済社会に戻りました。そして気がつきました。私は時代劇の見すぎだと。お金持ちは悪いやつだと、私の顕在意識と潜在意識の両方でそう思っていたのです。要するに刷り込まれていたのです。最近ファンになっている斎藤一人さんが言う「お金は神様の知恵」「人に喜ばれた数だけお金が入ってくる」つまり人にいっぱい良い事をした人がお金持ちになれるというのです。まずは私の潜在意識の書き換えから始めました。

それと子供時代に見た漫画。鉄腕アトム。鉄人28号。その影響を強く受けたのか、私は正義の味方になりたいのです。お金持ちになり、そして正義の味方になるにはどうしたらいいのか。世の中に貢献することでお金を稼げばいい。今の時点での結論です。

有機野菜を販売する中で、いろんなことが起こります。その一つ一つをクリアーすることで、お金が入ってきたり、人間的に成長できるのだと感じています。「一万円稼ぐには一万円の苦労があり、100万円稼ぐには100万円の苦労がある」

これからも色んな事があるでしょう。けれども、一つ一つクリアーして、正義の味方になり、お金持ちになり、そして人間的に成長していきたいのです。

安全と美味しさ

安全とは何か。私なりに考えてみました。化学農薬を使わなければいいのだと思います。化学農薬は人間が適用するには、出来てから時間が少ないのだと思うのです。ですから自然循環の輪の中に組み込まれていない。天然のものは、気の遠くなるような長い時間をかけ自然循環の中に入っていき、自然を壊しません。だから、野菜を作るとき化学農薬を使わないことにしました。

では、病気をどうやって防ぐのか。土の中には、微生物が生きています。病原菌もその一種類。病原菌が大繁殖してしまうと、野菜たちが病気になってしまいます。ですから、色んな種類の菌を育てて、一種類だけに天下を取らせないようにするのです。そのためには菌の食べ物である有機物を土に入れることだと思っています。

次は害虫対策です。おおむね窒素肥料が多くなり過ぎると害虫がつきます。ですから、適量な窒素肥料を畑に施すことが必要です。また、化学農薬を使わないので、畑の中に天敵が住むようになり、効果を挙げているように思います。併せて自然界にあるもの、例えば黒酢などを使って防除しています。その他、風通しや日当たりなどを考え、うね幅、かぶ間などを工夫しています。しかし完璧ではありません。雨や風、日照不足、低温、高温、日照りなどの自然現象にかなり影響を受けます。

美味しい野菜とは、どうしたら作れるのだろう。私にとって、これが難しいのです。化学肥料だけで作った野菜は美味しくありません。これはどうしてなんだろうと考えました。農家の間では、堆肥で作った野菜は美味しいと昔から言われていました。考えてみれば堆肥は植物で作るわけですから、当然堆肥の中にはミネラルが含まれています。また、堆肥を畑に入れると分解して、最後には腐植というものになります。この腐植はミネラルをくっつけ、長い間土の中にミネラルをとどめておけるのです。そうすることで野菜たちもミネラルを取り入れることが出来ます。また、窒素肥料が効きすぎて 黒緑色になった葉物は美味しくありません。窒素肥料の入れすぎにも注意が必要ですし、堆肥の質にもこだわらなければなりません。

農業は昔からある産業なので 皆様は技術は確立されているとお考えかもしれませんが 、私はまだまだ分からない事が多いのだと思っています。ですから これからもいろんな技術が出来てきたり、信じられないような野菜の作り方が出てきたりするのではないかと 楽しみにしています。これでいいんだと思わず、やわらかい頭にして野菜たちを作り続けたいと願っています。

栽培している野菜

ほうれん草、小松菜、春菊、パセリ、パクチー、トマト、きゅうり、茄子、ピーマン、いんげん、とうもろこし、玉ねぎ等

連絡先

柴本無農薬菜園 柴本勤

〒383-0043 長野県中野市三ツ和1325

電話 0269-26-3323

FAX 0269-23-2233

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